先日開催された「第35回日本産業衛生学会全国協議会(徳島県開催)」にて、弊社代表の西田がポスター発表を行いました。 テーマは、「ストレスチェック集団分析の内製化と自動化」です。
多くの企業様において、ストレスチェックの実施まではスムーズに進むものの、その後の「集団分析」や「職場環境改善」への活用が課題となっています。「外部業者に委託すると追加費用がかかる」「結果が返ってくるまで1ヶ月かかる」「PDFレポートが届くだけで、詳細な分析ができない」——こうした悩みを解決するために、R言語を用いたインタラクティブな分析ツールを独自開発し、オープンソースとして公開しました。
開発の背景:ストレスチェックの集団分析をより手軽に実施する
ストレスチェックの結果データは、本来企業の「資産」です。しかし、分析プロセスが外部委託先のブラックボックスになっていたり、内部で分析する場合も、担当者様がExcel作業に忙殺されていたりするのが現状です。
そこで弊社では、専門的な統計知識がなくても、マウス操作だけで「データの加工」から「統計分析」「レポート作成」までをワンストップで手軽に実行できるツールを開発しました(R Shinyにて実装)。
ツールの主な機能
本ツールは、以下のプロセスを自動化します。
- データ加工ウィザード: 表記ゆれのあるCSVデータも、画面上の操作で簡単に整形・統一できます(「男性/M/Male」の統一など)。また、設定ファイルを保存する機能もあるため、ストレスチェックの実施先がデータの形を変えなければ、一度設定してしまえば、次回以降は設定ファイルを読み込むだけで設定が終了します。
- 偏差値・経年変化の可視化: 北里大学が2024年に公開した、最新版の基準値 を用いて、自社のスコアが全国平均と比較してどの位置にあるか(偏差値)を瞬時に表示します。
- 高度な統計解析(ロジスティック回帰分析): 単なる集計だけでなく、「どの因子が高ストレスに影響しているか」を統計的に解析する機能も実装しています。
- 部署別レポートの自動出力: 部署分の個別レポート(PDF/Excel)を自動生成します(当該部署以外は名前を隠す機能を付けているため、そのまま渡してもその部署以外の結果が部署に伝わりません)。
アプリケーション画面の例
データ設定ウィーザードの画面

偏差値・経年変化の可視化の画面

部署別レポートの自動出力の画面

「数分」で終わるからこそ、本質的な議論ができる
検証の結果、このツールを用いることで、従来数日〜数週間かかっていた分析作業がわずか数分で完結することが確認できました 。
分析作業(集計)にかかるコストと時間をゼロに近づけることで、産業保健スタッフや人事担当者は、「結果をどう読み解くか」「どのような対策を打つか」という、本来注力すべき本質的な活動に資源を集中させることができます 。
デモ・ソースコードの公開
本ツールは、弊社が顧客企業で活用するなかで修正や機能追加をした場合に随時更新を行う予定です。産業保健の発展に寄与するため、GitHubにてソースコードを無償公開しています。また、ブラウザ上で動作するデモアプリケーションも用意しております。
- デモアプリケーション: [https://factory-health.shinyapps.io/scapp/] (※デモデータを用いて動作確認が可能です。実際のデータはアップロードしないでください)
- ソースコード (GitHub): [https://github.com/ironwest/sctool-r]
ファクトリーヘルス株式会社では、こうした「テクノロジーによる業務効率化」と「専門家による洞察」を組み合わせ、企業の健康施策をデータドリブンに支援いたします。

